大切なことはすべて音楽とゲームとマンガから教わった

ひきこもり系三大趣味について心に浮かぶことを書き留める

王様ランキング

うんうん、良いアニメだ。

進化しすぎたグラフィックや壮大なストーリー、壮絶バトルが展開される最近のアニメに食傷気味の方、日常の仕事・生活にお疲れ気味の方、おすすめです(^^)

見終わった時には爽やかな感動に包まれることでしょう。


原作は十日草輔(とおかそうすけ)さんの漫画作品。

2021年にアニメ化され、今回第1期23話を視聴しました。

制作はWIT STUDIO進撃の巨人SPY&FAMILY etc.もはや信頼のアニメ会社ですね。WITの10周年記念作品として制作されました。

パッと見、幼児向けのような平面的、絵本調の絵柄なのですが、その印象だけでスルーせずに騙されたと思って見てみてください。

このあたり、同じように絵でスルーされそうな名作「オッドタクシー」みたいですね。最近流行りなのかな?w


いろいろ見所ある本作ですが、最大のポイントはダイバーシティ(=多様性)をど真ん中に据えたところだと思います。

主人公のボッジは、国の世継ぎである王子という立場ですが、耳が聞こえず、力も弱く、幼い頃から人々の笑い物にされて育ちます。

それでも王様になるという強い意志とたゆまぬ努力によって、たくましく成長していきます。

作中に出てくる「誰に何を言われようと自分の可能性を信じて努力する」という台詞。

ハンデを抱えていようと、大きな失敗をしようと、どんな厳しい立場に置かれようと、本人の意志と努力によってどんな人でも輝けるよというメッセージが伝わってくるようでした。


次に意外と群像劇的な構成で物語が展開すること。

ボッジの親友で世間からは日陰者扱いされる種族のカゲ、ボッジの弟ダイダ、継母のヒリング、実父のボッス、"鏡の魔女"のミランジョ、さらには王国の部下や敵国の幹部達。

登場人物はそこそこ多いですが、それぞれの過去や背景を丁寧に掘り下げるので、ボッジだけの話で終わらず物語に深みを与えています。

最初周りはボッジの敵ばかりと感じるのですが、皆理由があってそうしていることが明らかになっていくので感情移入できるし、究極的には悪人が一人もいない愛に満ち溢れたお話になります。


個人的推しですが、今回は珍しく主人公のボッジ、それから継母のヒリングですね。

ボッジは耳が聞こえないため言葉も話すことができず、台詞は「あーうー」のみです(それでも声優さんの演技はすごい)。

その代わり表情が豊かで泣き笑いの表現が秀逸。

他の人物も含めて涙の描き方が見事ですし、ボッジが笑ってくれた時はそれだけでかわいくてほっこりします。

ヒリングは典型的なヒステリック継母風の立ち位置なのですが、実は不器用なツンデレキャラ。

なかなか心を開かないボッジに一生懸命アプローチして信頼を得た時の笑顔、たまらないですね。

実の息子ダイダと同じくらいボッジにも愛情を注いでおり、最後まで不器用な母の愛に泣かされました。


主題歌もどれも良いです。

特に第2クールオープニングのVaundy「裸の勇者」、第1クールエンディングのyama「Oz」。

いずれもコロナ下でいっきにメジャーになりました。


メルヘンちっくな作りの中にいろいろ考えさせられるポイントが多い作品。

見てみてくださいー!