大切なことはすべて音楽とゲームとマンガから教わった

ひきこもり系三大趣味について心に浮かぶことを書き留める

映像研には手を出すな!

コロナ禍の2020年に放映され結構話題になってましたね。

ご覧になった方もいるのではないでしょうか。

一風変わった作画と独特の雰囲気なので好き嫌いは分かれるかもしれませんが私は好きでした。


極度の人見知りながらアニメ制作の夢を持つ浅草みどり、超現実主義で金儲けが趣味の金森さやか、カリスマ読者モデルながらアニメーターを目指す水崎ツバメの女子高生3人が主人公。

高校の部活動としてイチから映像研究同好会を立ち上げ、様々な悩みや葛藤を乗り越えながらアニメ制作に取り組みます。


最大の見所は、浅草さんと水崎さんのアニメ愛から溢れ出す空想世界の描写です。

浅草さんは"設定"がとにかく大好き。アニメの舞台となる背景世界、登場するロボットや建造物とそのギミック、そこで生活する人々等、暇さえあれば詳細な設定画を描いており、そこから空想の世界に旅立ちます。

浅草さんは幼い頃から人見知りで友達を作ることができず、「自分の最強の世界」を設定画で作っていたわけですが、個人的にはこれは孤独を空想で埋めていた赤毛のアンに通じるものがあると感じました。

この設定画、漫画やアニメを志した人なら必ず一度は描いたことがあるのではないでしょうか。ちなみに本作の原作者はドラえもんを参考にこの設定画を描いているそうです。納得!


もう一人の制作者、水崎さんは"物の動き"フェチです。

人が戦う時関節はどのように動くのか、水がこぼれた時水滴はどのような形を取るのか等、細部にわたる観察眼とこだわりが持ち味です。

時にこだわりが強すぎてコストや納期度外視になることがありますが、そこも良い作品作りには欠かせない要素ということで…。


本作はアニメ制作アニメということで、SHIROBAKOとも共通するものがあります。

特に感じるのは仕事には"期限"と"想定外"が付きものだということ。

アニメも現実も想定外の出来事は起こりうるもので、その時「そんなの無理!」と騒いでも問題は解決しません。

そのような極限状態でも期限は到来するわけで、そこでいかに最適の判断を下していけるかが仕事力なんだと思います。

その点、3人目のメンバー金森さんは優秀です。

金森さんは幼少期よりどうすれば効率的にお金が稼げるかだけを考えて生きてきており、映像研においても組織の設立、外部調整、活動資金の捻出等実務運営に抜群の力を発揮します。

どんな想定外が起きても常に冷静な判断を下し、あらゆる手段(時には裏の手w)で物事を進めていきます。

夢ばかり追いかける制作陣に対しても時には叱り時には理解を示す等飴と鞭を使い分け、モチベーションを下げずに現実的な落とし所を探る手腕はもはやマネジメントクラスですね。

私は金森さんが一番好きです。


このアニメは何も考えずサクッと見ることもできるし、考察しようと思えばすることもできます。見る人によってどちらにも対応できるというのはいいですね。

3人のアニメ愛(金森さんは金儲け愛w)は今後どのように結実するのでしょうか。

まだ掘り下げられてないキャラ(教頭先生とか)もいるので、2期の制作してほしいですね。