大切なことはすべて音楽とゲームとマンガから教わった

ひきこもり系三大趣味について心に浮かぶことを書き留める

SUPER BEAVER

1月の深掘りアーティストはSUPER BEAVERです。

近年ではハイキュー!!や東京リベンジャーズの主題歌を担当したりして名前を見る機会も多くなってきましたが、調べてみるとかなり長いキャリアを持つバンドです。

活動開始は2005年で、インディーズデビューが2007年。2009年にメジャーデビューしましたが、2011年にメジャーレーベルを離れ、自主レーベル等で活動するという異色の経歴。

地道にコツコツと活動を積み上げてきていることに驚き、共感を覚えました。


上記のような経緯なので、リリースアルバムもかなり多いです。

しかもベストアルバムがない!これもポリシーを感じてすごく良いですね。

でもさすがに1ヶ月程度のパワープレイでは掘りきれないほどにあるので、とりあえず新しい方から「東京(2022年)」、「アイラヴユー(2021年)」、「歓声前夜(2018年)」の3枚のアルバムを聴き込んだところで書いてます。

これからさらに古い方まで掘れたらまた書くかもしれません。


SUPER BEAVERの最大の特徴は、そのメッセージ性の強さだと思います。

しかも圧倒的に若い人、10代向けのストレートなメッセージ。

そんな季節ははるか昔となった私達にはキラキラし過ぎて眩しいくらいなのですが、その清々しいまでのストレートさが心を打ちます。

全体的には、時間はあっという間に過ぎるよ、今やらなくていつやるの?、自分は自分、仲間を信じて進め、幸せはすぐそこにある、あたりのテーマが多い気がします。響く…。


音楽性としては様々な時代を経てきたバンドということで、背景にいろいろなアーティストを感じます。

2005年頃といえばBUMP OF CHICKENレミオロメン等、新しい空気感のバンドが多く出てきた頃ですが、SUPER BEAVERもその雰囲気を感じます。

また2010年代に入ると先ほど書いたようなメッセージ性の強いバンドが多くなってきましたが、その意味ではRADWIMPSBLUE ENCOUNTSPYAIRKANA-BOONあたりかな。意外とゆずっぽい曲もあったり。

先日も書きましたが、それぞれのバンドがリスペクトして影響を与え合ってきたのなら、それは素晴らしいことですよね。


では上述の3枚のアルバムからピックアップ。

(歓声前夜)

・ふがいない夜こそ

・閃光…めっちゃストレートw

・シアワセ…自他共に認めるバンドを支えた曲。一推し

・美しい日

・ひとこと

(アイラヴユー)

・ハイライト…これも熱い詞ですね。

・アイラヴユー…ストレート。アルバム自体コロナ禍に作られたものですが、コロナってきっと世界中の人の胸に刻み込まれた共通の思い出になりますよね。

(東京)

・名前を呼ぶよ

・未来の話をしよう


3枚の中では歓声前夜が一番ピンとくる曲が多かったです。1枚丸ごと良いアルバム認定してもいいくらい。

このバンドはミドルテンポ、バラードの方がメッセージ性が強く浮かび上がる気がしますね。

まだまだ掘るぞー。

BLUE GIANT(映画)

石塚真一さんのジャズをテーマとした漫画が原作で、昨年待望のアニメ映画化。今般DVDレンタルが開始されたので早速視聴しました。

原作の方は2021年にブログ書いてるのでそちらをご参照。もちろんネタバレ厳禁なのでストーリーは割愛です。


演奏パートは、ピアノが上原ひろみさん、サックスが馬場智章さん、ドラムが石若駿さんといずれも一流の方々で圧巻です。

最近のアニメは取り上げる題材(本作で言えばジャズ)のリアリティは徹底しているので、その点はもはや驚かない。それくらいサラッとすごいです。

全体の3分の1くらいの時間を演奏パートに使っているので、まずは演奏を堪能してください。


個人的に考えたこと(私だけシリーズ)。

音楽ドラマにはよくあるのですが、本作でも音楽を聴いている人が涙するシーンがよく出てきます。

確かに私もよく泣きます。電車の中で音楽だけ聴いて泣いている変な人w

ドラマや映画と違って、音楽はそれ自体には分かりやすいストーリーってないですよね。

なのになぜ音楽が好きな人は音楽だけを聴いて泣くのでしょうか?


私としては、「長い時間をかけて積み上げてきた音楽人生の中で、自分にだけフィットする音楽に出会うことができた奇跡」に涙しているんだと思ってます。

クラシックでもジャズでも洋楽でも、音楽好きな人はまず自分が選んだジャンルの中で膨大な時間をかけて音楽を聴き続けます。

私の場合はその対象はJPOPですが、流行り歌、話題になったアーティスト、雑誌やネットの特集、テレビやラジオでたまたま流れた曲、ジャケットで惹かれたアルバムetc.あらゆるきっかけを掴んで次から次へと聴きます。

しかしそのほとんどは自分の体に真にフィットするものではないのでスルー。

慣れてくると大体1分くらい聴いて「ああ、これは違うな」と判断して次の曲に移る。この作業を延々と繰り返しているわけです。


そして、この作業の果てごくまれにメロディ、アレンジ、ボーカル、演奏のすべてが自分にフィットする曲に出会えることがあります。

1年間で新しく聴く曲が500曲くらいだとすると、ビビッと来て年末にプレイリストにするのが10-15曲(約2%)、その中からその後何年もリピートする神フィット曲は多くて5曲(1%)くらいかな。

この1%に巡り会えた時に「ああ、この作業を続けてきて良かった」という自分への慰労とともに感動が訪れて泣くのだと思います。


作中にも「ジャズを信じてきて良かった」という台詞が入ります。

ジャズは特に、一般の人は意識してその世界に入らないと聴く機会が少ないので、なかなかその良さを理解してもらうのが難しい。

さらにジャズは曲というよりはソロやアドリブといった演奏に重きを置く音楽なので、本当に素晴らしい演奏に巡り会える確率はさらに低く、まさに一期一会という言葉がぴったりなのだと思います。


私のJPOPも同様で、上記の1%の中に流行り歌が入ってくることはあまりないので、自分だけが良いと思って聴き続けています。結構孤独w

でもたとえ誰にも理解されなくても、自分だけが満足できる曲に巡り会えること。それが究極の幸せなんです。

「趣味」ってそういうものだよなと思わせてくれる本作。音楽好きならぜひどうぞ。

supercell

2007年より活動開始。

コンポーザーのryoを中心にイラストレーターや歌い手が集まったクリエイター集団です。

初音ミクを中心としたボカロ文化、今のYouTuberに繋がる動画投稿文化に革命を起こし、さらには米津玄師さん、麻枝准さん、ヒャダイン前山田健一さん)等、今のJPOPを支える人達にも多大なる影響を与えたと言われる存在。

にも関わらず、出てきた時代が早すぎた開拓者であるがゆえに一般認知度が低いので、ぜひ紹介させてください!


ボカロ、動画投稿文化に革命を起こしたのは「メルト」という曲だと言われています。

初音ミクをボーカルとして2007年末にニコニコ動画に投稿されたこの楽曲は、前例のないメロディ、アレンジ、ミクの高い調教技術に加え、歌詞や世界観にも大きな反響があり、瞬く間に再生回数100万回を突破。

さらに、ryoはニコニコ動画の文化を尊重して2次利用に関する制約を特段設けなかったため、歌い手による「歌ってみた」動画、リアレンジ動画、絵師による楽曲をイメージしたイラスト等、関連動画も多数生まれました。

元動画は現在では累計1,400万回以上の再生回数と、2000年代のニコニコ動画としては異例の多さとなっています(YouTubeは除いてですからね)。

米津玄師さんがハチ名義で動画投稿していたように、ニコニコ動画は2010年代のJPOPを支えるアーティストを多数輩出した偉大なるプラットフォームだったと思っています。

またこういう文化が起こるといいですね。


個人的に最も好きな曲は「君の知らない物語」です。

supercellのというよりは音楽人生通してもトップランクに好きな曲。スマホの目覚ましアラーム曲にも設定しています(^^)

アニメ「化物語」のエンディングテーマとして制作され2009年にリリース。

個人的記憶を辿ると、2009年当時、毎週録画して見ていたCDTVのランキングにこの曲がランクインしてきたんです。

まだアニメが市民権を得る前でしたから、アニソンがランキングに入ってくるだけでも珍しい。

私もまったく知らなかったのですが、この曲が流れた瞬間にビビッと体が反応しました。

すぐに紙にメモして近くのレンタルCD屋で探したんですが見つからなかったです…。やはり流通量が少なくて仕入れてもらえなかったんでしょうね。

今ではアニメ界において神曲認定されるくらいすごい存在になっています。


次は「やなぎなぎ」さんの話。

supercellはボーカルを固定しないスタンスで、当初は初音ミクをボーカルに据えて活動していました(というか、最初はボーカルの知り合いがいなかったようです)。

2枚目のアルバム「Today is A Beautiful Day」制作にあたり、ニコニコ動画で「ガゼル」名義で活動していた歌い手をボーカルに迎えました。

supercellでの活動名義はnagi。これが今のアニソン界では外して語ることのできないやなぎなぎさんです。

この経緯もすごい。メルトの話といい、やなぎさんの話といい、やはりsupercellは伝説と言ってもいい存在だと思います。

君の知らない物語もnagiです。


お気に入り曲をピックアップ。

初音ミク時代を合わせてもアルバム3枚しかないのでぜひ全部聴いてほしい。「こゑだ」をボーカルに迎えた3枚目のアルバムも良いんです。

と言いつつ初音ミクはあえて外して、2-3枚目のアルバムから以下選びました。

君の知らない物語

・ヒーロー

・Perfect Day

星が瞬くこんな夜に

うたかた花火

・夜が明けるよ

さよならメモリーズ

My Dearest

・百回目のキス

銀色飛行船

The Bravery

僕らのあしあと

・告白

・時間列車

・We're Still Here 〜泣ける。夜眠りにつく前によく聴いてる曲


かなり多くなったw

2枚目は前半、3枚目は後半に好きな曲が集中してます。

ぜひどうぞ!

マカロニえんぴつ

通称マカえん。

2012年結成の4人組バンドです。

2021年にリリースした配信限定シングル「なんでもないよ、」がスマッシュヒットし、最近一気に知名度が高まってます。

昨年、今年と紅白出場も期待されましたが、残念ながら出場とはなりませんでした。

私は最近の卒業ソングを調べていた時に「青春と一瞬」という曲に出会い、そこから入りました。

ここ1ヶ月ほどヘビロテしたので書いてみます。


聴いたのはフルアルバムとしてリリースされている「CHOSHOKU」(2017年)、「hope」(2020年)、「ハッピーエンドへの期待は」(2022年)、ミニアルバムの「season」(2019年)の4枚。

私にはよくあることなんですが、古い作品の方が体に響き、年代が新しくなるほどピンと来る曲が少なくなりました(^^;)

これは何でなんでしょうね。

何となくですが、キャリア初期の方が音の数が少なくて素朴ではあるんだけど、その分がむしゃらに作っているように聴こえるのに対し、メジャーになるにつれアレンジが華やかになるんだけど、ちょっと技巧的に聴こえてしまうところも出てくるからかもしれません。

まあ、私だけのひねくれた感覚だと思いますw


聴いてるうちに、この人に影響を受けたんじゃないかと感じるアーティストが何人か浮かんできました。

まずは中村一義さん。

そもそもボーカル「はっとり」さんの声が中村さんに似てる。

ヤングアダルトという曲のアレンジや雰囲気は、2000年代前半の中村さんにかなり近いものを感じます。

次にユニコーン奥田民生さん。

これは調べてみたらドンピシャでした。

はっとりさんの名前の由来はユニコーンの曲「服部」から。

奥田さんが好きすぎて、普段からはっとりと名乗り(本名は河野さんw)、髪型も奥田さんのソロデビュー当時のものを真似ているそうです。

それ、リアルタイムで知ってるw


その他にもKANA-BOONRADWIMPSミスチルやback number、さらには聖飢魔IIを感じるものもありました。多彩。

ユニコーン以外は本当に影響を受けたかどうかは分かりませんが、そのような形で連綿とDNAが受け継がれていくとするとそれは素敵な話ですよね。

Vaundyなんかも昭和〜平成の雰囲気を感じる時ありますもんね。


お気に入り曲をピックアップ。

CKOSHOHUからの選曲が多い…アルバム通して良い1枚です。

・ミスター・ブルースカイ

・夕色 〜90年代の中村一義を感じる

・洗濯機と君とラヂオ

・イランイラン 〜初期のRADWIMPSを感じる

春の嵐

ヤングアダルト 〜一推し。中村一義の「キャノンボール」を感じる

・青春と一瞬

・哀しみロック

・レモンパイ

・遠心

・Supernova

・なんでもないよ、


JPOPバンドサウンドの歴史を感じる令和時代の最新バンド。聴いてみてください!

2023年アニメ・ゲーム振り返り

恒例のやつ行ってみましょう!


まずはアニメから。

1.交響詩篇エウレカセブン

2.機動警察パトレイバー

3.舞妓さんちのまかないさん

4.ブルーロック

5.青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

6.劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明

7.メイドインアビス 烈日の黄金郷

8.ウマ娘 プリティーダービー Season2

9.幼女戦記

10.ぼっちざろっく

11.小林さんちのメイドラゴン

12.ハイキュー‼︎ セカンドシーズン

13.蟲師

14.狼と香辛料

15.岬のマヨイガ

16.推しの子

17.王様ランキング

18.アオハライド

19.orange

20.映画orange-未来-

21.天元突破グレンラガン

22.Charlotte

23.最終兵器彼女

24.葬送のフリーレン

25.薬屋のひとりごと

26.進撃の巨人 The Final Season 完結編

27.がっこうぐらし!←今ココ


また増えたw

エウレカセブングレンラガンは2000年代の大作。消化できてよかった。

アビスは人を選びますが、ハマると抜けられなくなる中毒性あり。

青ブタ、ウマ娘、ぼざろ、メイドラゴン、王様ランキングあたりは、意外と感動する系の作品でおすすめ。

狼と香辛料Charlotteは絵が綺麗なのと主題歌・挿入歌にハマったw

アオハライド、orangeはど真ん中恋愛物。これも良かったな〜。

後半、フリーレン、薬屋、進撃完結編あたりは相当お金かかってるなという印象ですが、その分クオリティは保証できる作品です。


さすがに最近、過去の有名作は見尽くした感があり、次に何見ようと考える時に少し時間がかかるようになってきました。

それでもまだまだ見るべき作品はいっぱいあるので(エヴァの見直しとか、各作品の2期以降とか)、今後も生活が変わらない限りペースも変わらないと思います。


続きましてゲーム。FF14除きで。

1.ペルソナ5 ザ・ロイヤル

2.ドラゴンクエストビルダーズ2

3.ファイナルファンタジー7 リメイク

4.Air

5.BLUE PROTOCOL

6.いただきストリート3

7.みんなのゴルフ4

8.ブルーリフレクション

9.ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム


こちらも増えた!

けど、FF7は未クリアw

Airも1周はしたけど周回(他ヒロイン攻略)には至らず。

待望のプルプロも1ヶ月くらいで触らなくなってしまいました。やはり戦闘メインだと自分には合わなくて、職人、バザー、ドレスアップ、ハウジング等の生活系コンテンツがないと続かないことにあらためて気づきました。ストーリーは良かったので、それだけでもまた追おうかな。

と、少し中だるみの期間もありましたが、今年はPS2-4、スイッチ、PCオンラインといろいろなハードのゲームに手を出しましたね。

ペルソナ5ゼルダは、前評判通りのボリュームお化け、時間泥棒ゲームでハマりました。

1年くらい検討していたwブルリフも買えたし、続編の「帝」も買ってあるので"いつか"やります(^^)


今年もありがとうございました。

来年も何事もなく楽しく過ごせますように!

進撃の巨人 本当に完結!

原作は2021年に完結していますが、今回アニメ版が完結し、ホントの本当に完結となりました。

The Final Seasonの「完結編」も半年の期間を空けて前編・後編とし、それぞれ90分枠で放送する力の入れよう。

作品の質にはもはや文句のつけようがなく、NHKの「100カメ」等でも作画を中心とした妥協を許さない姿勢が特集されていました。


何度も繰り返されていますが、本作は考察なしで理解することはほぼ不可能。

なにげない台詞、ふとしたしぐさ、風景等に意味や伏線が隠されており、原作漫画、アニメ、考察記事・動画等を繰り返し見て初めて気づくということが多いです。

あくまで考察なので、作者が本当にその意図を込めていたのかは不明ですが、そういう考察をすることが本作の最大の楽しみとなっていることは間違いない。


ということで今回は、アニメ完結後様々な考察記事を読んで「なるほど〜」と思ったものを紹介させていただきます。

珍しくネタバレ全開なので、これから見ようと思っている方は絶対読んではダメです。

まあ視聴前に読んでも何のことを言っているのかまったく分からないと思いますが…。本作はネタバレ厳禁というのが定説となっていますので。

過去最長の文章になりましたが、お読みください。

 

 

 

 

 

 

1.始祖ユミルがミカサに託した"願い"は何だったのか?

ユミルが死後2000年間、フリッツ王への愛を断ち切れなかったというのは比較的分かりやすく表現されていると思います。親を殺され、故郷を焼かれ、舌を抜かれた相手への愛を貫き通すというのはそれだけでも壮絶な話です。

ミカサの頭痛の原因は、ユミルがミカサの脳内をずっとのぞいていたことが原因でした。ユミルはミカサのエレンに対する揺るぎない愛を知るにつれ、ミカサになら自分の願いを託せると考えました。

ではその願いとは何だったのか?

それは、「愛した相手を愛し抜きながらその相手を殺す」こと。

エレンも「地ならし」によって人類の8割を殺すという暴虐の限りを尽くしました。

そんなエレンを愛してしまったミカサが、エレンの暴走を止めるためにエレンを殺してくれる。

ユミルは自分がフリッツ王に対して成し得なかったことをミカサならやってくれると信じて、その想いをミカサに託したんです。

なるほど〜。確かにこれはまったく描かれていなかった解釈ですね。


2.エレンの「駆逐してやる」の本当の意味は何だったのか?

序盤は親や故郷を奪われた巨人を駆逐するという意味だったと思います。

中盤から終盤にかけて、自分や仲間の安全を脅かす人類そのものを駆逐するという意味に変わりました。

しかし、自分達の安全を守るというのは表面的な理由で、本当の理由は別にあったというのです。

その理由とは、「あらゆるものから自由でありたいという自己の欲求」、ただ1点。

自由は本作の様々な場面で語られる最大のテーマのひとつです。

自由の翼、壁の世界からの解放、好きな方を選べ、胸張って生きろよ、フリッツ王からの解放、巨人の力からの解放etc.枚挙にいとまがありません。

そして、エレンはアニメ完結編のアルミンとの対話の中でつぶやきます。

「俺は、平らにしたかった。この景色を見たかった」と。

これこそ究極のわがまま!自己満足!

エレンは「自分以外人類が誰もいない世界を見たい」という自己の欲求のみを優先したのです。

そうでなければ仲間すら殺すことになる地ならしを選択した理由が説明できません。

家族からも仲間からも組織からも世界からも解放された、究極の自由な選択。

これが「駆逐してやる」の真の背景という解釈…。壮絶です。


3.では、アルミンとの対話シーンの意味は何だったのか?

アニメ完結編のこのシーンは原作にはなかったもので、原作の解釈に変更を加えたものと言われています。

原作ではエレン1人が地ならしの罪を負い、残ったアルミンはエレンとは別の方法で人類を救う道を模索していくという、2人の永遠の別れを印象付けるような展開でした。

しかしアニメ完結編ではアルミンがこう語ります。

「エレンに誰もいない世界を想像させたのは僕だ。これは僕たちが始めたことだ。地獄で一緒に罰を受けよう」と。

これに対し、エレンが「先に待ってる、地獄で」と応じ、アルミンの「うん、ずっと一緒だ」で終わります。

グッときますね。別れから共犯、そして再会を約束する展開に変更したことで、さらに胸に迫るものとなりました。


そしてもう1点、このシーンから読み取れることがあります。

それは、この世界の誰もが自己の欲求を一番に優先して行動しているということ。

エレンが「平らな世界を見たい」という欲求を優先したのと同じように、アルミンは「壁の向こうの世界を見たい」という欲求をエレンを利用することで実現しました。

二人だけではありません。

ミカサは「エレンと共に生きたい」、リヴァイは「調査兵団の想いを叶えたい」、アニは「お父さんの元に帰りたい」、コニーは「母ちゃんを人間に戻したい」etc.

登場人物すべてが自分の欲求のみに従って行動し、それにより世界が成り立っているという解釈…我々が生きる現実世界も同様ですね。

それが人間。それでいいのだと思います。


書き終えるのが名残惜しいですが、ここまでにしたいと思います。

進撃の巨人を世に送り出してくれたすべての皆様に感謝します。

BLUE REFLECTION

久し振りにゲームの投稿です。

以前、中古価格が下がらないゲームとしてご紹介した本作。

ゲオオンラインストアで2,000円台で売っていたのでさすがにこれ以上は…と思って買いました。

1年以上いつ買おういつ買おうと検索し続けてきた作品なので、やっとですね。

 

本作は一言で言えば美少女RPGです。

個人的には現時点での美少女ゲーム界の最高峰と言ってもいいのではないかと思っています。

コーエーテクモゲームスの事業部で、「アトリエシリーズ」も手掛けるガストが制作。美少女ゲームには定評があるブランドです。

アトリエがファンタジー世界を舞台にしているのに対し、本作は現実世界に近い女子校が舞台。

星ノ宮女子高等学校に通う白井日菜子(しらいひなこ)が、同級生の司城夕月(しじょうゆづき)、司城来夢(しじょうらいむ)とともに、学校を襲ってくる原種(げんしゅ)と呼ばれるモンスターと戦う物語(ここらへんはめっちゃファンタジーかw)。

日常パートでは普通の女子高生として友達と絆を育みながら、いざバトルとなるとプリキュアばりの魔法少女となって戦う。このギャップがまた萌えポイントなんだと思います。

 

キャラクターデザインがイラストレーターの岸田メルさん。淡く繊細なタッチで、美少女を描かせたら日本一ではないかというくらい綺麗な絵を描かれます。

本作の画集も出ているのですが、既にプレミア価格で出品されている状態です。

 

と、美少女ネタばかり述べてきましたが、ストーリーや音楽も水準以上の良質なものです。

ストーリーは序盤は少しもたつきますが、中盤を超えると世界の謎に迫るものとなり、最後は切ないながらも爽やかな感動に包まれます。

音楽は全般通してかなり良い。学校生活の場面ではゆったりとした静謐なもの、ダンジョンでは不可思議な雰囲気のもの、戦闘ではアップテンポで気分が高まるものとそれぞれ魅力的な音楽が奏でられます。

日常のBGMにもいいなと思い、サントラ借りちゃいました(^^)

音楽を担当してるのは浅野隼人(あさのはやと)さんという方で、ガストに入社してアトリエシリーズの音楽も手掛けてきた職業作曲家。

今は退社されてフリーで活動しているようです。

 

さらに戦闘システムもなかなかに面白い。

まず敵味方ともに素早さに応じた行動順がゲージで表示されており、いかに相手に行動させないかがポイントになります。

そこでノックバック効果のある必殺技を使うことで行動順を遅らせるのが常套手段なのですが、ここに属性の概念が絡み、敵に属性耐性があるとなかなかダメージが通らない。

ノックバックで行動順を遅らせるか、弱点属性を突いて一気に殲滅を狙うか、この判断が戦略性を高めています。

必殺技のモーションもどれも凝っていて見ていて飽きず、さらに3人の連携により繰り出す大技「オーバードライブ」は威力も絶大で爽快感がありますね。

 

ということで、これまでの私のゲーム界三大美女は、NieR:Automataの2B、FF13のライトニングさん、スターオーシャン4のレイミ・サイオンジでしたが、今回レイミさんと入れ替わってもらって、3人目は本作のヒロイン白井日菜子をランクインさせたいと思います!w