大切なことはすべて音楽とゲームとマンガから教わった

ひきこもり系三大趣味について心に浮かぶことを書き留める

火の鳥

巨匠、手塚治虫のライフワーク。

小学6年の時に学級文庫にあったのを初めて読んで、内容はよく理解できなかったもののその壮大さに不気味な感銘を受けました。

その後高校生になってから全巻買い集め、それから繰り返し50回くらいは読んだかな。


手塚治虫さんは間違いなく天才です。

何をいまさら…ですねw

でも私は、漫画家、アニメの父としての手塚さんではなく、思想家としての手塚さんがすごいと思っているんです。


例えば「復活編」に出てくるロボットの「ロビタ」。

家事手伝いロボットとして開発されますが、その人間臭い思考回路から家族の一員として人間にも受け入れられ、最後には人間にとってなくてはならない存在となっていきます。

これは今のペットロボットやAIのアレクサに近い世界。


他にも、思考・判断をAIにすべて委ねたことで核戦争が起こり人類が滅亡する世界(未来編)、クローン技術により大量のクローン人間が作られる世界(生命編)etc.

どれもいずれは実現しそうな世界ですよね(してほしくはないけど…)。


これを今から50年くらい前、既に手塚さんは予見していたわけです。

今後の技術の発達により、いずれ必ず火の鳥と同じ世界がやってくるはず。

そう考えると、手塚さんの先見性、思考力、想像力が人並み外れたものだと分かります。


火の鳥は高校生にとって歴史の勉強にもなりました。

「黎明編」は卑弥呼大和朝廷の時代、「ギリシャ-ローマ-エジプト編」は世界史、「ヤマト編」は古墳時代、「鳳凰編」は奈良時代橘諸兄吉備真備が出てきます。

さらに「乱世編」は源平時代、「太陽編」は壬申の乱の頃。

受験勉強のかたわら、火の鳥を読んでいたことで、きっと知識も深まった…はずw


過去と未来、空想と現実が入り混じる壮大なファンタジー小説でありながら、不死の存在である火の鳥を介することで究極的には手塚治虫さんの死生観に触れることもできる物語。

拙い語彙では伝わらないですね(^^;)

おススメです。