これは…。
とあるサイトで「大人が泣けるアニメ」として紹介されていたので「それなら」と見始めたのですが、これは…簡単にレビューしてはいけないんじゃないかと思ってしまうほど…重い。
確かに泣ける部分もあるし、実際全11話を一気見しちゃうくらい引き込まれるのですが…重い。
それはやはり実際に東日本大震災が起きてしまったからなのかなと思います。
このアニメが作られたのは2009年。
大地震への啓発も目的として各省庁協力のもと、過去の大地震時の被害状況、証言等のデータ、被害予測等も折り込みながら作られたそうです。
私も東日本大震災の時は歩いて帰宅しましたが、このアニメは震災前にも関わらず震災発生時の様子を忠実に描いている気がします。
あの時はレインボーブリッジが崩れ落ちたり、東京タワーが倒壊したりといったことはありませんでしたが…。
アニメを見てあらためて思ったのは、人は極限状態に陥ると普段は理性で抑えられている真の人間性が表に出てくるんだろうなということです。
自分が有利になるために他人を蹴落とそうとする嫌な面ももちろんですが、逆にそういう時だからこそ他人でも助け合おうとする性質も出てくる。
私も帰宅時に、沿線の住民や飲食店の方々が率先して水や食べ物を配ったりトイレを貸したりしているのを目の当たりにしました。
平常時にそんなことをしたら、ちょっと変わった人と見られちゃいますよねw
緊急時だからこそ人間同士助け合おうとする動物的・本能的なものが出てくるんだろうなと…アニメでもそういうのが随所に描かれていました。
重めの話になってしまったので少しくだけた話を。
このアニメの見所のひとつに主人公の女の子「未来ちゃん」の成長があります。
未来ちゃんは中学1年の女の子。
反抗期真っ盛りという感じで、物語序盤はとにかく冷めた言動、もっと言うとカチンと来るような言動が多いですw
しかし大震災という極限状態の中で、弟の悠貴と被災場所で知り合った真理さんと協力しながら帰宅を目指しているうちに、人間的にも大きく成長していきます。
いつの間にか見ている側も「頑張れ。頑張れ」と応援しながら一緒に歩いているような感覚に…。
不思議でしたw
途中見落としている伏線もいくつかあるような気がするので、もう一度見直してみたい。
「いつも通り」がどれだけ幸せなことかを改めて感じさせてくれるアニメです。