また会社の方からのレコメンド。
ホントにありがたい限りですよね。
自分ではほぼ確実にチョイスしない作品に手を出せるので世界が広がりますし、おすすめしてくれた人と早く話したいと思うことが見るモチベーションにも繋がります。
人見知りにとっては、アプローチしてきてくれる存在は大変貴重なものです(^^)
いきなりそれましたがwパトレイバーです。
押尾守監督の代表作で、名前はかなり有名ですよね。
1980年代後半の作品ですが、子供の頃の私のイメージは「お洒落なアニメ」でした。
当時のアニメはファンタジー作品ばかりだったのに対して、本作は現代社会を舞台としたリアリティのあるもの。
また当時の小学生が見せてもらえるアニメといえば、ハウス名作劇場とかNHKの「アニメ三銃士」枠の作品など比較的健全なものばかり。
当然この作品は見せてもらえず(というかそもそもいつやってるのかも分からなかった)、友達が持ってるグッズやアニメ雑誌に描かれたイラストくらいしか触れる機会がなかった。
でもそのイラストは他にはないとても綺麗な線の絵で、それがすごく大人の世界に見えて、「ああこれは中学生や高校生のお兄さんお姉さんしか見ることができないお洒落なアニメなんだ」というイメージだけが残ることになったのです。
30年以上が経った今、初めて見ることができました。
メンバーの出会いからを描いた「アーリーデイズ」7話と本編と言ってもいい1989年の劇場版を視聴。
舞台は「レイバー」と呼ばれる労働ロボットが普及した社会。
レイバーは優秀な労働力である一方で、レイバーを使った犯罪も増加していきます。
これを取り締まるために警視庁に編成されたのが「特殊車両二課(特車二課)」、通称「パトロールレイバー=パトレイバー」。
ここに集まった個性溢れる面々が、レイバーを駆使しながら問題解決に当たるというのが基本プロットです。
今見るとさすがに古さは否めません。
携帯電話がないので公衆電話から電話をかけていたり(自動車電話の描写はある)、パソコンのスペックが低いのでホストコンピュータにハッキングをかけてその能力を使っていたり、カーナビがなく専用の端末で地図情報を表示していたり、自販機で缶ジュースを買いそのプルタブが昔の取れるやつだったり…。
描写面ではベタなツッコミどころ満載です(それはそれで面白い)。
他にも主題歌、作画、音楽、台詞回し等々、今のアニメとは比べるべくもなく、The 80年代の雰囲気が伝わってきます。
それでもこのアニメは、いろんな意味で業界における金字塔的作品と言っても過言ではないと思います。
まず「警察もの」のジャンルを確立したところ。
先述の通り現代を舞台にしたこと自体新しいのに、さらに警視庁を舞台としたアニメはこれより前の時代にはなかったのではないでしょうか。
これが後に「踊る大捜査線」や「PSYCHO-PASS」を制作した本広克行さんにも影響を与えたと言われています。
それから「群像劇」的描き方をしていること。
特車二課の面々は、各専門分野での能力はずば抜けているのに、警視庁という大組織には馴染まないアウトローばかり。
それぞれ過去の傷や複雑な環境を抱えており、それを徐々に明らかにしていく見せ方。
能力を発揮した時の爽快感と相まって、どんどんそのキャラに引き込まれていきます。
いかにもな主人公っていうのが存在しないんですね。見る側によって推しができていくスタイル。
私は後藤隊長が好きかな〜。
この手法は今では当たり前のもので攻殻機動隊なども同様の見せ方ですが、ヒーローを中心に展開する当時のアニメにはあまり見られなかったものだと思います。
他にも…
・ロボットものとしても当時としては斬新なデザインで、メカニックデザイン等その後の作品にも影響を与えたと思われる
・音楽担当が今では泣く子も黙るアニメ音楽界の大御所 川井憲次さん
・インターネットやコンピュータウイルス等の概念がまだ一般的でない中メインテーマとして取り上げている
・劇場版で語られる「バビロンプロジェクト」はまだ形もない東京湾アクアライン
というように、時代を先取りし後に繋がっていく要素が多数詰め込まれています。
長くなったw
あの頃を思い出しながらぜひご視聴ください!