大切なことはすべて音楽とゲームとマンガから教わった

ひきこもり系三大趣味について心に浮かぶことを書き留める

鬼滅の刃

「きめつのやいば」。昨年最も話題となったアニメです。

原作は週刊少年ジャンプ連載の大人気マンガ。

主題歌の「紅蓮華(ぐれんげ)」を歌うLiSAはこの曲で紅白初出場を果たしました。

第1期、全26話見終わりましたので、考えさせられたことなどを書いてみます。


ご存知ない方のために設定やあらすじを簡単に。

家族を鬼に殺された主人公「炭治郎(たんじろう)」は、襲われた際に鬼と化した妹「禰豆子(ねずこ)」を人間に戻すため、鬼を退治する組織「鬼殺隊(きさつたい)」に入隊します。

鬼殺隊の厳しい訓練に耐え、次から次へと現れる強い鬼たちに苦戦しながらも勝利を重ね、仲間とともに成長していく…基本的にはジャンプのキーワード「友情、努力、勝利」を絵に描いたような王道ストーリーです。


この作品の魅力は何でしょう。

ひとつは間違いなく、弱く頼りない主人公が修行や戦いを乗り越えることで少しずつ成長し、かなうはずもないと思っていた強大な敵を倒して行くという、勧善懲悪的な爽快感だと思います。

でもそれだけだと昔からあるベタ要素で終わってしまいますよね。

個人的に感じたこの作品のもうひとつの大きな魅力は、敵である鬼にもそれぞれ背景となるストーリーがあることです。

鬼も鬼となる前は普通の人間です。

人間時代に体が弱かったり、人に認められなかったり、家族を殺されたり…様々な辛い思いを重ねた人が鬼となってしまいます。

そこには常に悲しい物語があるのですが、炭治郎と戦い、敗れることで最期は皆救われて消えて行く。

この描写が見る人の心を揺さぶるのではないかと思います。


そしてこのアニメを見て最も深く考えさせられたのは、人間と鬼、どちらが正しいとは言えないんじゃないかということです。

当然アニメは人間が正義で鬼は悪の構図になるわけですが、それは人間サイドから物語が描かれているからです。

鬼は鬼となった時から理性を失い、ただ自分が生きるためだけに本能のまま人間を食べます。

(ちなみに禰豆子は鬼となった後も人間を襲うことなく、なぜか眠るだけで生きていくことができます。)

これは確かに人間からしてみれば残酷で排除しなければならないことなので、鬼殺隊が鬼を狩ることは正当な行為となります。

でも考えてみると、人間も生きるために豚や牛を殺して食べてますよね。

豚や牛からしてみたら人間が鬼となるわけで、もし豚や牛に知能と力があれば、人間が狩られたとしても文句は言えないことになります。

つまり鬼は自分達が生きるために人間を殺す、人間は自分達が生きるために鬼を殺す、どちらもそれぞれの正義でありこの物語はそんな生物の生存競争を描いている…なんて考えるのは深読みしすぎでしょうかw


まあこんな小難しく考えるのは私くらいなので、単純にサクセスストーリーとして見ていただければと思います(^^)

ただ、どうしても斬り合うマンガのため残酷なシーンが避けて通れません。

小さなお子様にはお勧めできないので、そこだけはご注意を…。