ヨルシカの最新アルバム「盗作」を聴きました。
最初はクセあるかな〜と思ったのですが、何回か聴いているうちに気にならなくなってきました。
やっぱりいいですね(^^)
ヨルシカは、ボカロP出身のコンポーザー、n-buna(ナブナ)が、女性ボーカリストのsuis(スイ)と結成したバンド。
2017年の結成以降、主にネットでの活動により中高生を中心に人気を高め、2019年メジャーデビュー。
今年はかなり飛んでおり、配信シングルは常にランキングに入ってきてますね。
なお、ライブ以外ではメディア露出をせず、テレビもネットもPVも素顔の公開はありません。
「盗作」はメジャー3枚目のアルバムとなります。
リリースに合わせた公式サイトのインタビューで「このアルバムは前2作を破壊することから始めたかった」と語っています。
ヨルシカの前2作「だから僕は音楽を辞めた」および「エルマ」は、suisの透明感のある高音を引き出しながら、「夏の匂い」のような空気感を大切にした爽やかな作品に仕上がっています。
一方、本作は「音楽を盗む男の一生」というコンセプトが示すように、全体的にダークな印象を与える曲でアルバムが構成されています。
そのため従来のヨルシカのイメージで聴き始めると最初は大きな戸惑いを覚えます。
しかし何度も聴いていると、今までに聴いたことのないsuisの低音が心地良くなってくると同時に、アルバム全体がひとつの物語となっていることが感じられるようになってきます。
その意味ではさらに芸術性が高まった作品と言えますね。
ちなみに本作の初回生産限定版には、実際にこの男の物語を描いた書籍がついてきます。う〜ん、オシャレ(^^)
もう一点、最近のネット系ミュージシャンに共通する特徴として私が個人的に「空白の音楽」と呼んでいる手法が、この作品にも見られます。
これは曲の途中にあえて歌詞を当てずに伴奏のみの部分を作ることで、一瞬の空白を感じさせる手法です。
例えばサビが8小節あるとして、1-2小節は普通に歌っているんですが、3-4小節であえて歌詞なしの部分を作り、5-8小節はまた普通に歌う、という流れです。空白はもっと長い時もある。
間奏とはまた違うのですが、一瞬の空白部分があると、「おっ」という軽い驚きとともにその音楽をうまく吸収させる効果があると思うんですよね。
分かりにくいかな…?考えすぎ??
新しい話題が少なめの今年のJPOP界において、ヨルシカやYOASOBI等のネット系ミュージシャンはセールス含めて注目です。
前2作品からでもいいので、ぜひご入場ください!